◆バリ島の伝統芸能・・・《バリ・ダンス》
バリに行くからには、一度は見ておきたいバリ・ダンス。これは今から約500年ほど前に、イスラム教の勢力に追われたジャワ島のマジャパイト王朝が、ジャワ古来のヒンドゥーの踊りをバリに伝えたことに始まります。さて、そのバリ・ダンスですが、大きく分けて、3つに区別しています。以下、簡単に紹介してみます。
ワ リ
Wali
寺院の祭礼などで、純粋に神に捧げる神聖な奉納芸能。本来は宗教行事のみで見られましたが、最近は、観光客が鑑賞できるようになりました。バリス、ペンデット、サンヒャンなどがこれに属します。衣装は、神聖な色とされている黄色と白が使われます。
ブバリ
Bebali
寺院の祭礼や結婚式などの儀礼で演じられ、物語性があり、神と人の両方を楽しませる芸能。トペン、ワヤン・クリなどがこれに属します。
バリ・バリアン
Balih-Balihan
宗教性はなく、純粋な鑑賞用の芸能。レゴン・クラトン、ケチャ、バロンなどがこれに属します。

 ◆ バロン<Barong>  聖獣と魔女の終わりなき闘い

バリ舞踏の中で最もポピュラーなものの一つです。ガムランと言う、バリ島独特の楽器を使用し、聖獣バロンと魔女ランダによる、終わりのない闘いを描いたものです。それは、善と悪、生と死と言うものが、同時に存在する事で、世界が成立していると言うヒンドゥーの二元論を表現しています。元々は、死者の霊を祭る寺、プラ・ダラムで行われていた悪魔払いの舞踏チャロナランが起源。それが、外国人の手により芸能としてアレンジされ、1時間ほどの長さにまとめられ、村人以外の人間に見せると言う観点から生まれた、初めてのバリ舞踏です。体長3m、重さ80kgという巨大なバロンの仮面と胴体は、2人がかりで巧妙に操られています。ダイナミックで迫力に満ちた動き、そして、容姿に似合わないコミカルなポーズや、道化役の猿など、登場人物のキャラクターも見所の一つです。本場は、デンパサールから車で15分ほどの所にある、石彫りの村としても有名なバトゥブランです。 毎朝9時30分から上演されています。
 ◆ ケチャ<Kecak>  猿の鳴き声と無数に伸びる手
大勢のダンサー達が両手を挙げて、祈るようなポーズをとっている写真は、観光パンフレットなどでも良く見かけます。ケチャは、寺院の儀式の際に奉納される宗教舞踏のサンヒャンから派生したものです。バリ舞踏の中でも珍しいことに、ガムランは使われません。上半身裸に、腰布をまとった男達が、円陣を組んで、「チャ、チャ」と叫ぶ中、ダンスが行われます。1930年、バリに住むドイツ人芸術家ウォルター・シュピースが、サンヒャンから踊りの部分を取り除き、声を強調した新しい芸能として確立。更に、『ラーマーヤナ物語』を取り入れて、ストーリー性を持たせたものへと変化して行きました。ケチャの声は、5種類あるリズムパターンが、更に何パターンかに分かれた複雑な構成から成り、ダンサーの動きは自然界にあるもの(ヤシの木、火、水など)を表現しています。ストーリーは、魔王にさらわれた王女を王子と猿の援軍が助け、悪を滅ぼすと言うものです。円陣を組む男達の掛け声と身振りは、ストーリーが進むに従って、その演技と一体化し、やがて熱狂へと変わります。この掛け声を唱和する男達は、ラーマを助ける猿の援軍を表現しています。ストーリー自体は分からなくても、バリの暗闇を突き破るリズミカルなコーラスは、記憶の中に鮮明に残るはずです。
 ◆ レゴン<Regong>  最も優美で華麗な踊り

バリ舞踏の代表格ともいえる華麗な踊り。これは、19世紀、妄想中のスカワティ王が見た天女の舞いを再現したものと言われています。島内には、15種類以上のレゴンがあると言われますが、基本的な踊りのテーマは神と王の繁栄を祈り、且つ讃える事です。いずれも、女性のダンサーによって演じられます。ストーリーは、ヒンドゥー教の善と悪の永遠の闘いと言う二元論をベースにしています。形式は、歴史と伝統に培われたものなので、崩す事はできませんが、振り付けなどが高度に発展し、やがてバリエーションも増え、難解になっていったそうです。また、華麗な衣装や繊細なダンサーの動きから、バリ・ダンスの中でも、花形的な人気を誇ります。

 
 
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